お釈迦さまの言葉、「この世は川の流れのようだ」
宇宙の果てから宇宙を見ると、この宇宙が”川の流れ”だそうです。
そして、「そこからすべてが始まっている」そうです。
そこから私たちのところまで脈々とつながっていて
私たちは、いまもなお、その川の真っただ中にいるんですって。
時間という感覚がない宇宙の川の流れからすると
私たちがいま、こうして存在しているというのは、
想像を絶するほどのはるか、はるか昔から続いていて
一瞬たりとも途切れたことのない命の連続だということが分かると。
自分はその一部である、自分がその川の流れそのもの。
私たち自身も、また、今起こっている現象も、何もかもが
この川の流れとつながっていて、
すべてが同じものから出来ていることが分かるのだそうです。
この流れがなければ自分たちが存在もしないし、自然もないし、太陽もない。
すべては川の流れから始まっている。
宇宙は呼吸していて、宇宙自体が私たち。
その流れの真っただ中に、いまこの瞬間も触れて流れていられるということです。
仏教で言う「諸行無常」
この世のあらゆる事物や現象は、すべて移り変わり、不変なものは存在しない。
「方丈記」で鴨長明は
「行く川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」と残しています。
ヨガで言うところの
サマーディ、至高体験、全てのものとの一体感。
自分の中のアートマン(小宇宙)は、ブラフマン(大宇宙)と同じと知ること。
ヨガの練習は「川の流れ」に溶け込むことだと思うのです。
私たちは毎日、生きているだけで「頑張っている」。
無意識に緊張を溜め込んで、
知らず知らずに常識やしつけや経験した感情で縛りつけて、
カラダやココロや魂がギュッと硬くなっていく。
その「わたし」という自我は
「わたし」を存在させるために不安・恐怖・迷いを与えて、
壁をどんどん厚くして、その川の流れをせき止めている。
必死に川の抵抗を受けるから、踏ん張って苦しんでいる。
ヨガでは流れるような呼吸を優先して体を動かし、
自分の中から静かな川の流れを作っていきます。
深い呼吸は内側からマッサージするように外側をほどき、
つまりのない滞りのない心身は、
抵抗することなく川の流れに調和して委ねることが出来ます。
自分に蓄えられた緊張やこわばりという”不自然”な状態の「自我」が薄らいで
静かで穏やかで心地好い”自然”な状態の「真我」に触れていきます。
特にアシュタンガヨガは途切れることのない呼吸をつないで、
ポーズからポーズへ流れるように決められた順番で練習するため、
深めれば深めるほど外側という肉体の感覚よりも
呼吸に動かされるように思考が止み、身体は軽くなり、
内側(自己、いのち)に触れていきます。
エクササイズやストレッチ、筋トレといった運動効果だけではなくて、
深層意識やエネルギーの浄化作用や覚醒といった瞑想効果が
伴ってヨガの恩恵を感じることが出来ます。
深い呼吸の流れで川の流れに溶け込むように、
いつも違う”いまの自分”の身体の声、命の声を聴くヨガの練習を…
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